SOR学園2年生の男子生徒。

「ゴーストプレイヤー」ではビオラを担当している。

おおらかで優しく、自己主張しない性格で、誰からも好かれている。

※以下は自己紹介の際のセリフになります。

「僕は2年のビオリスト

僕たちの中に犯人がいるなんて信じられないけど……

もし、いるんだとしたら、名乗り出てほしい。」

あなたの正体

※あなたは宇宙人で、ドッペルゲンガーです。

他人の姿、能力のどちらか一方、あるいは両方をコピーできます。

僕は、物心もついていない赤ん坊の頃に地球に派遣された宇宙人だ。 地球人を調査する任務を与えられ、とある一般家庭の子供とすげ替えられたのだ。

僕には「 ドッペルゲンガー 」という、他者の姿と能力をコピーする力がある。 この力は、僕が地球人に紛れて生きていくのにとても役立った。 仮親からの勧めでビオラという楽器を始めた僕は、プロ演奏家の能力をコピーして活躍し それなりの地位と人脈を得ることに成功した。

順調に任務をこなしながら、僕は「SOR学園」という著名な音楽校に進学した。 高校生になっても、僕のやるべきことは変わらなかった。人脈を広げながら調査を続ける。

そんな退屈な日常が一変したのは、二年になり、新入生が入ってきた春のことだ。 プロに匹敵する演奏力を買われ、SOR学園の生徒だけで活動をする音楽グループ―― 「ゴーストプレイヤー」のメンバーにならないかと一年生の女の子に誘われたのだ。

それは運命の出会いだった。ゴーストプレイヤーの マネージャー だという彼女は 僕の内面を見透かしたように「誰かの真似じゃなくて、ホントのあなたの演奏が聴きたい」と 咲くような笑顔で言った。僕は、その一言で呆気なく恋に落ちた。

彼女には夢があるらしい。

子供のころ、彼女はゴーストプレイヤーのメンバーである ピアニストさん と約束したのだという。

SOR学園の音楽祭に一緒に参加しよう、と。

SOR音楽祭は普通の学校行事ではない。世界中の著名な音楽家が招かれる大イベントで、参加できるのは音楽界で多大な功績を残したOBや生徒達だけだ。

ゴーストプレイヤーはできたばかりのグループで、音楽祭にいきなり参加するのは 難しいかもしれないと思ったけど、どうしても「今年」参加したいという彼女のため 僕は力を貸すことを誓った。

活動を始めた直後は、驚くほど順調だった。「最先端の音楽を、クラシックで披露する」 というマネージャーさんの戦略は大きく刺さり、僕らは有名になり、色んなコンサートに 招待されるようになった。けど、けど、すぐ困難に直面することとなった。

とある日、ゴーストプレイヤーの活動が終わった後のこと……。

僕がレッスン室へ忘れ物を取りに帰ると、頭から血を流し、胸に深々とナイフを突き刺された男が床に倒れこんでいた。

マネージャーさんが、血塗れの手をだらりと落としながら 男を呆然と見下ろしている。僕は男に見覚えがあった。たしか三年生の先輩である「 A 」だ。あまりのことに絶句しているとマネージャーさんは 「 ストーカー に襲われそうになったから殺してしまった」と説明してくれた。

動揺しているのか、黙り込んでいる彼女をレッスン室で休ませ、僕はストーカーを密かに校舎裏へと運び凶器であったナイフと一緒に地面に埋めた。 レッスン室の床を急いで磨いて証拠を隠滅し、さらに後日、アリバイを作るために 楽器保管庫でドッペルゲンガーの力を使って「A」に成りすまし、授業を受けた。

もし死体が見つかった時、警察の捜査を撹乱できるかも、なんて考えたのだ。

僕はマネージャーさんに、自分の正体、力、すべてを打ち明けた。

マネージャーさんは「どうして私のためにここまで」と疑問を口にしたが、僕にとって彼女は すべてに勝る大切な人なのだ。彼女にとってのピアニストさんが、そうであるように。

そう語ると、彼女は「お礼として特別に」と、ピアノ盤の前に座り、演奏を始めた。

その旋律はピアニストさんの演奏とそっくりで、何よりピアニストさんへの愛に満ちていた。

ピアニストさんに聞かせれば、すごく感動してくれるのに」と、僕はもったいなく思った。

たしかにピアニストさんほどの技術はないが、でも人を感動させるのは技術ではない。そこに込められた想いなのだから。

技術を複製することはできても、想いが込められず、人を感動させることができない僕なんかと比べれば、遥かにすばらしい演奏だ。

ストーカーの件が終わっても、問題は噴出した。ピアニストさんが、なぜかマネージャーさんを避け始めたのだ。

ヴァイオリニスト君 はマネージャーさんが「ピアニストを贔屓している」と 不満を言うようになり、ことあるごとに喧嘩するようになった。 コントラベーシスト君 と、 チェリストさん は何やら、二人きりで行動することが多くなった。 更に、マネージャーさんが「音楽界の著名人を脅して、ゴーストプレイヤーを宣伝させ、 コンサートやイベントに強引に参加している」という悪評まで広まり始めた。

何もかもうまくいかなくなって、苛立った様子のマネージャーさん。

しかし、ある日、彼女は唐突に「すべてうまくいきそう」と態度を一変させた。

SOR学園に伝わる、どんな願いも叶うという都市伝説――「伝説の楽器」を手に入れるための鍵を手に入れたと言うのだ。彼女は一枚の楽譜を掲げて「これが鍵」だと語った。

年季が入った、しかし折り跡どころか汚れ一つない楽譜。

見ていると、視界が揺れる。

楽譜に普通じゃない力が宿っていることは明らかだ。

たしかに本当に「伝説の楽器」が実在するのであれば、今の逆境も覆せるだろう。

でも、彼女はすぐに顔を曇らせ「生贄が必要みたいなんです」と嘆いた後、よくわからないことを問いかけてきた。

「ストーカーの奴、どこに埋めたんですか?」

何のための質問なのかわからなかったけど、僕は彼女にストーカーの埋葬場所を教えた。 後日、マネージャーさんは「ダメでした」と軽く顔をしかめ、血塗れの楽譜を僕に見せた。 彼女が何をしたのか、怖くて聞けなかった。

マネージャーさんはすぐに気を取り直したように僕を連れたって楽器保管庫に赴き、

カッターナイフを取り出して指先を傷つけ、いくつかの楽器に血を付け始めた。

ヴァイオリン、チェロ、ビオラ、コントラバス……奇妙な儀式を終えた彼女は。「後で使うから、忘れないようにしないと」とつぶやき、笑顔を見せた。

後日、マネージャーさんから「伝説の楽器」を手に入れる方法が見つかったから、という理由でゴーストプレイヤーの面々に招集がかかった。なんだか、嫌な予感がするけど……。

僕は彼女が望むならなんでもする。だって、本当の僕を見てくれるのは彼女だけなんだ。「伝説の楽器」で彼女が何を望んでいるとしても、僕がやるべきことは彼女の願いを叶えてあげることだけだ。

所持品

マネージャーの
ハンカチ

マネージャーがいつも使用していたハンカチ。

様々な衣装や
メイク道具

学園の制服や、女性用のメイク道具など 様々な道具が納められている衣装袋。

「A」の情報

3年生の男子生徒「A」の性格や、登下校の時間、 授業の態度など、細かく調査されている。

あなたしか知らない所持品の情報
■マネージャーのハンカチ:マネージャーが置き忘れていったハンカチ。勝手に取ってしまったが、言い出せずにいる。
■様々な衣装やメイク道具:ドッペルゲンガーで他人に成りすます時の様々な道具。化粧道具や、サイズ違いの制服等。
■「A」の情報:「A」に変装した時の情報。普段の生活や、好物、話し方などを事細かく調べた。

当日の行動

5限課程修了の鐘が鳴り 、すぐにマネージャーさんから呼び出しがかかって会いに行った。

A棟の廊下で、人目に触れないように二人きりで話す。

彼女は何故か赤く染まった「楽譜」を確認した。

「今日は、どうしてもみんなに集まってほしいんです」と言うマネージャーさん。

しかし、一つ問題があるのだという。ヴァイオリニスト君から、今日の集まりには参加しないと連絡が入ったらしい。マネージャーさんは別にやることがあるから、代わりに中庭で待ち合わせしているヴァイオリニスト君の説得に向かってくれとお願いされ、僕は快く引き受けた。

いつになく顔色が悪い彼女のお願いを拒むのは気が引けたし、そもそも彼女が望むなら僕はなんでもするのだ。

ストーカー「A」の名前を出せば、きっとヴァイオリニスト君は乗ってくるだろう、という助言をくれた後、マネージャーさんは去っていった。

しかし、はたしてヴァイオリニスト君が僕の話を聞いてくれるのだろうかという不安がある。いかんせん僕は甘く見られやすいきらいがあるし、きっとマネージャーさんの姿で話した方が彼も納得してくれるだろう。

そう考えて、 僕はトイレに駆け込み「ドッペルゲンガー」でマネージャーさんに変装して から待ち合わせ場所の中庭へ向かうことにした。

中庭まで移動し、ヴァイオリニスト君と合流した。

なんとかマネージャーさんの真似をしながらレッスン室へ集合するよう説得を試みるが、芳しい反応はもらえなかった。

僕は、マネージャーさんから教えられた通り「A」の名前を出すことにした。

「「A」のことについて、知りたいんですよね?」僕の言葉に反応し、ヴァイオリニスト君が目を見開いた直後、雨粒が頬を叩き、 台風が近づいているから校舎を閉めるという放送が流れた。

鉛色の空を見上げた後、ヴァイオリニスト君は 「「A」が失踪したことについて ビオリストが関与しているのか」 と問いかけてきた。

まるですべて見透かしているようなその言葉に絶句していると、ヴァイオリニスト君は 「 ビオリストは怪しい。何か隠しごとをしている 」と確信を持っているかのように断言する。 「ビオリストは小心者で、悪事や隠し事ができるほど器用じゃない」と言い訳をしたが、 彼は瞳の奥を覗き込むように睨み、さらに追及を続けてきた。

今度はマネージャーさんの「悪事」についてだ。 音楽界の有力者達を脅し「ゴーストプレイヤー」の活動を支援させていた、という噂話に ついて言及するヴァイオリニスト君。彼の瞳は不信感でいっぱいだ。

僕はその目を睨み返して「やってない」と怒鳴りつけた。

マネージャーさんが、どれだけゴーストプレイヤーを大切に思ってるか僕は知っている。 それを、この人は――。

一気に怒りが滾る。もう一言、何か言ってやろうと開きかけた口を、不意に鳴り響いた スマホの通知音が止めた。ポケットから取り出して確認すると、ピアニストさんから 「相談がある」と連絡が入っていた。

冷静になった僕は、大きな声を出したことが急に恥ずかしくなり、ヴァイオリニスト君に謝罪した後ピアニストさんからの呼び出しを 口実に走ってその場を去った。トイレに駆け込み、自分の制服に着替えなおして変身を解く。

その際、 変装用のマネージャーさんが使っているものと同じヘアピンを落としてしまい、少し探したが見つからずあきらめた。

急いで楽器保管庫に向かうと、暗い表情のピアニストさんがそこにいた。

何かあったのか問いかける僕に、彼女は少し震えながらつぶやいた。 どうやら、ピアニストさんは先日、マネージャーさんの演奏を聴いてしまったらしい。 その時に、自分を超えるほどの演奏だと感じたピアニストさんは、アイデンティティを 壊されたように感じてしまい、マネージャーさんと笑って話せなくなったのだという。 顔を見られたくないのか、僕に背中を向けて鞄に手をかけたピアニストさん。

まるで図ったかのようなタイミングで、ピアノの旋律が響き始めた。

ピアニストさんの演奏によく似た壮美な旋律……しかし、目の前に本人がいることを

考えると、マネージャーさんが演奏しているんだろう。ピアニストさんが「今はこの演奏を聴きたくない」と言うので、彼女を連れて食堂に移動した。

閑散とした食堂で、マネージャーさんがピアニストさんをどれだけ大切に思っていたかを必死に訴えた。それに、ピアニストさんはマネージャーさんの演奏に敗北感を覚えたようだが、客観的に評価する分にはどう聞いてもピアニストさんの演奏が勝っているように思う。

でも、それを僕が伝えても、きっと彼女は納得しないだろう。

しばらく話し合った後、僕は「マネージャーさんと話し合おう」と提案した。

ピアニストさんは覚悟を決めたようにうなずく。

ゴーストプレイヤーの活動拠点であるレッスン室に向かっていると、 ヴァイオリニスト君の悲鳴が響き渡った。

驚いてレッスン室に飛びこむと、そこには、地面にぐったりと横たわるマネージャーさんがいた。見間違うことなく、マネージャーさんは死んでいた……。

僕の視界は、真っ暗になって――。

時系列まとめ

【五限終了のチャイムが鳴った】

マネージャーから連絡があり、会いに行くと血で赤く染まった楽譜を見せられた。

ヴァイオリニストが集まりに参加しないらしく、説得してくるように頼まれる。

説得の際、ストーカー「A」の名前を出せば乗ってくるだろうと助言を受ける。

マネージャーの姿の方が説得しやすいだろうと判断して、ドッペルゲンガーで

姿を変えてから中庭に向かう。

・少しして……

中庭でヴァイオリニストの説得を行う。

最初は訝し気な態度だったが、「A」の名前を出すと反応が変わる。

【雨が降り始め、校舎を閉めるという放送が流れた】

ヴァイオリニストから「A」が失踪したことについてビオリストが関与していのかと

追及され、言い訳する。また、マネージャーの悪事について問いかけられ「やってない」と怒鳴りつけた。

ピアニストから連絡が入り、楽器保管庫に向かう。

・少しして……

道中、トイレに入って変装を解く。その際、ヘアピンを落としてしまった。

楽器保管庫で、ピアニストからマネージャーと上手くいってないと相談された。

【ピアノの演奏が始まった】

ピアノの演奏が聞こえピアニストが「この演奏を聞きたくない」と言い始めたので、ふたりで食堂に移動した。

・少しして……

しばらく相談を続けた後、マネージャーと一緒に話し合うことになり

レッスン室へ向かった。

ヴァイオリニストの悲鳴が聞こえた】

すぐにレッスン室へ。現場にはヴァイオリニストチェリストが居た。

全体 MAP

あなたの秘密

マネージャーがストーカーを殺したことについては、隠し通さなければならない

僕がドッペルゲンガーであることは、隠し通さなければならない

あなたの目的

自 分が犯人として拘束されない

あなたは無実です。

事件に関与していないことを証明するために、アリバイや証拠を集め、自分が犯人として疑われないように努力しましょう。

他のプレイヤーにあなたのアリバイを確認させ、矛盾がないように注意しましょう。

犯人を見つける

真犯人を見つけ出すことは、マネージャーのことが好きだったあなたにとって最も重要な目標です。犯行の手法や動機を解明し、事件の真相を明らかにしましょう。

ストーカーの事件についてマネージャーが犯人であることを隠す

「マネージャーが犯人である」とみんなに知られれば、あなたの好きな人の名誉に傷をつけることになります。

ドッペルゲンガーであることを隠す

あなたがドッペルゲンガーであることは極力隠したほうがよいでしょう。不幸に巻き込まれる可能性があります。

伝説の楽器を手に入れる

これさえあれば、すべてが解決します。マネージャーを生き返らせること、それがあなたの一番の願いです。

行動指針

ヴァイオリニストにマネージャーの誤解を解く。

マネージャーは十二分にヴァイオリニストのことを認めていた。ピアノを最優先したのは確かにマネージャーの私情だったが、ヴァイオリニストの演奏の実力がピアニストに劣っていると思っているわけではなかった。

ゲームプレイのヒント

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SORMM Vol.02 ゴーストプレイヤー

あらすじ

エリート音学校「スクールオブロック(SOR)学園」には

世界を揺るがすほどの秘密が隠されている、という噂がある。

宇宙から飛来したという不思議な宝石を用いて作られた、伝説の七楽器――

伝説の楽器をすべて集めた者は、世界を思いのままに操る力を手に入れることができるという。

その伝説の楽器を集めたことで、学園はここまで大きくなったとのだという

しかし、伝説に語られる力は人に恵みを与えるだけではない。

大きすぎる力は、時に人を狂わせ、凄惨な事件を引き起こす。

それゆえに、血なまぐさい噂がSOR学園にははびこっているのだ。

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SOR学園の音楽祭といえば、「学園による音楽祭」としては世界最高峰である。

外部からの賓客は音楽界に強い影響を与える権力者、著名人ばかりであり、参加者は世界最高峰の演奏者達による「グループ」に限られる。

SOR音楽祭に参加した生徒は、それだけで未来の 音楽界を担う天才達であるという証明になる。

SOR学園の生徒6人組によって結成された音楽グループ「ゴーストプレイヤー」は、 最先端の音楽を、クラシックの奏法で表現することを目的としたグループだ。

グループ名は、SOR学園に伝わる怪談の一つ……誰もいない教室で 楽器を演奏するという「亡霊の演奏家≪ゴーストプレイヤー≫」にちなんでつけられた。

ピアニストヴァイオリニストチェリストビオリストコントラベーシスト

そして、彼らを統括する指揮者(マネージャー)の六人組。 演奏力だけではなく、見た目や 高いプロデュース力をもって、動画サイトで圧倒的な人気を博した「ゴーストプレイヤー」は 様々なコンサートにゲスト招待され、SOR音楽祭の出場グループへと選ばれるにいたった。

栄光の未来が約束されているはずの6人……しかし、ひとつの噂により状況は一変した。

マネージャーに関する悪評が広まったことでSOR音楽祭への出演が取り消されたのだった。

落胆する一同に、マネージャーは妙なことを言い始めた。

「伝説の楽器を手に入れる方法を発見した」

それは、SOR学園に伝えられる御伽噺(おとぎばなし)。

「手に入れれば、どんな願いも叶えられる」という、出所不明の都市伝説だった。

そんな「伝説の楽器」が手に入ったとマネージャーから連絡を受けた一同は、

ある大雨の日の放課後、グループの活動場所であるレッスン室に集められた。

そこで事件は起こった。

一番最初にレッスン室に入ったヴァイオリニストが、ピアノ盤に体を預けるようにして死んでいる マネージャーを発見したのだ。

響き渡る悲鳴を聞きつけ、メンバーがレッスン室に集まる。 マネージャーの死体を見て、パニックになった一同は、次々に悲鳴を上げる。

ピアニスト「なんで……なんでこんなこと!」

ビオリスト「首に傷が……殺されたんだ!」

そう叫んで、特にマネージャーと仲がいいピアニストビオリストが死体に駆け寄り、縋りつく。

チェリスト「あの……き、教員を呼んできたほうが……いいんじゃ……」

コントラベーシスト「この時間だぞ? それに、台風が近づいてきてるし、もう誰も残ってないはずだ」

ヴァイオリニスト「……まずは警察に電話だ。」

一番最初に動揺から抜け出したヴァイオリニストが、スマートフォンに手をかける。

しかし、その手をコントラベーシストが止めた。

コントラベーシスト「待てよ。警察を呼んだら現場検証やらなんやらが始まるんだろ? 伝説の楽器が手に入らなくなるかもしんねーぞ」

ヴァイオリニスト「……伝説の楽器、か。本当に、そんなものが現実に存在するのか」

ヴァイオリニストが眉をひそめる。言葉とは裏腹に、顔は少し色めき立っている。

チェリスト「でも……マネージャーさんを殺した人が、居るってことですよね?」

ピアニスト「もしかしたら、私たちの中の誰かが……」

全員が、全員の顔を見回し、お互いに一歩距離をとった。

ビオリスト「調べてみよう……犯人が、どこかに隠れているだけかもしれないから……」

ビオリストがそうつぶやき、皆が静かにうなずく。

しかし、皆の瞳には、どこか胡乱(うろん)な光が宿っていた。