SOR学園3年生の男子生徒。

「ゴーストプレイヤー」ではヴァイオリンを担当している。

超がつくほどの自信家で、尊大な性格だが目下の者に対する情は厚い。

※以下は自己紹介の際のセリフになります。

「3年生のヴァイオリニストだ。

当然だが、この中で一番の実力を持つ演奏家だ。

本来だったら、こんなことは警察に任せるべきだ。

あまり時間をかけるべきじゃない。さっさと終わらせるぞ。」

あなたの正体

※あなたは同性愛者です。

幼い頃から、天才という言葉は俺のためにあった。

音楽家の一族に生まれ、物心つく前からヴァイオリンに触れてきた俺にとって、演奏することは 呼吸をすることと同じくらい容易いことだった。

世界中で様々なコンテストに参加し、たくさんの賞を得たころには、大人達でさえ俺の演奏に文句をつけることはなくなっていた。

しかし、そんな俺の天狗の鼻を叩き折るやつが現れた。一つ年下のピアニストの少女だ。

クラシックの世界では「天才」は、あいつのことをさす言葉となり、それは決して過大評価ではなかった。

俺はピアニストの演奏を超えるため、俺は幼馴染のチェリストと共に演奏家として上を目指すことを決意した。

そして世界最高の音学校――SOR学園への入学を果たしたのだった。

高校生になった俺だが、一つだけコンプレックスが生まれた。

誰にも打ち明けることのできない悩み……どうやら俺は、いわゆる 同性愛者と呼ばれるものだったらしい。

同じクラスの、特に優れた容姿をしているわけでも、才能にあふれているわけでもない少し陰気な伊達眼鏡の男――「A」に強い恋心を抱いた。

だが、俺は周りの目を気にせず恋に 邁進できるほど勇敢ではなかった。

幼い頃から自分に恋心を向けてくるチェリストの気持ちが、 俺にも少しだけ理解できるようになった。

一年が過ぎ、一方的にライバルと定めたピアニストが後輩としてSOR学園に入学し、一年経った春のこと……ピアニストの相棒だというマネージャーの勧誘を受け、俺は「ゴーストプレイヤー」として活動することとなった。

目標は、世界的にも知名度が高いSOR学園の音楽祭に参加することだという。

この音楽祭への参加は、俺にとって演奏家としてさらに名前を売るチャンスだった。

マネージャーの辣腕(らつわん)で、ゴーストプレイヤーは驚くほど早く知名度をあげることに成功した。

著名な音楽団からも連絡が入り、様々なコンサートに出演することができた。

その結果、俺達は見事、SOR音楽祭の参加者候補に入ることができたのだった。

日々の活動に忙殺されていた頃、「A」から声をかけられた。

どうやらゴーストプレイヤーでの活動を見て「ファンになってしまった」らしい。

思わず喜びかけたが、続く一言で冷静にさせられた。

ピアニストちゃんが好きなんだ」。

音楽だけじゃなく、恋愛でも、ピアニストは俺の前に立ちふさがる。

しばらくして「A」が姿を消した。

失恋したばかりの俺には都合が良かったが、でもやはり気がかりで、いつも視界の隅で あいつを探していた気がする。そうしていると数日後、突然「A」が登校してきた。

いつものようにおとなしい奴だったが、少し雰囲気が柔らかくなっていた気がする。

結局話しかけることができず、放課後、俺は未練がましく「A」の後をつけた。

あいつは何故か楽器保管庫に入っていって……その後、保管庫から出てきたのはビオリストだった。

しばらく様子を見たものの「A」が戻ってくる様子はなく、しびれを切らして楽器保管庫に入ったがあいつの姿は何処にもなかった。

「A」はもう一度、姿を消した。

もしかして俺は、初めての失恋で頭がおかしくなってしまったのだろうか……。

恋愛で挫折した後は、ゴーストプレイヤーの活動にも暗雲が立ち込めた。

音楽祭で演奏する曲の作曲者に、ピアニストが選ばれたのだ。

マネージャーに不満をぶつけたが、あの女はピアニストの信者で、俺の意見を取り入れようとはしなかった。 チェリストは、どうしてか愚か者のコントラベーシストと一緒に行動することが多くなった。

おまけに、マネージャーがゴーストプレイヤーの活動にあたり、音楽界有力者の秘密を握り、圧力をかけているという噂が流れてきた。

悪評が広まったせいか、「ゴーストプレイヤー」は 音楽祭への参加権を取り消されてしまった。

このままでは、俺の経歴に傷がつく。

引き時だろうと考え、俺はゴーストプレイヤーを辞めることにした。

マネージャーを休みの日に呼び出して、そのことを伝えると、彼女は妙なことを言い出した。

「伝説の楽器を手に入れる方法を見つけた。これで音楽祭に出ることができる」

詳細については明日、メンバーの前で説明すると言われ、ゴーストプレイヤーを辞める話を進められなかった。

あらゆる願いを叶える伝説の楽器――それが手に入れば、「A」と再会できるだろうか?

淡い期待が胸をくすぐる。

マネージャーの思い通りというのが死ぬほど癪に障るが、

仮に伝説の楽器の話を抜きにしても、ゴーストプレイヤーを辞める前にはっきりさせておかなければならないことがある。

ビオリストには、俺達に隠している秘密があるはずだ。

もし、「A」が何か危害を加えられたのだとしたら、俺は――。

所持品

男子生徒との
ツーショット写真

クラスメートである男子生徒「A」とのツーショット写真。 二人が並んでいる写真が、何枚もある。

マネージャーとの
メッセンジャーアプリのやりとり

「あなたはピアニストさんに執着しているだけ」 というマネージャーの言葉に、 激怒して酷い罵倒の文言を送っている。

有名楽団からの
勧誘資料

有名楽団から「ゴーストプレイヤーを抜けて入団 しないか」という勧誘の手紙。

あなたしか知らない所持品の情報
■男子生徒とのツーショット写真:片思い相手「A」との写真。ツーショットを切り取っている。こんなもの、持っているだけでおかしな疑惑をかけられかねないが、それでも捨てられない。
■マネージャーとのメッセンジャーアプリのやりとり:本当に気に食わない女だが、正直、図星だからこそこれだけ腹立たしいのだ、ということは理解している。
■有名楽団からの勧誘資料:ゴーストプレイヤーを抜け、別の音楽団に移ろうと考えていた。だが、何も言わずに辞めるのははっきり言って不義理だと思う。メンバーに断りを入れてから、やめるのが筋だろう。

当日の行動

音楽ホールでの実習が終わり 5限課程修了の鐘が鳴った後、 マネージャーに連絡を送った。

今日はマネージャーが見つけたという「伝説の楽器を手に入れる方法」についてメンバーへの説明を行うために招集がかけられていたが 俺は不参加を申し出た。気にならないというと嘘になるが、やはりマネージャーの 指示に従うのは気に食わないし、今はビオリストの調査を優先したい。

すると、すぐに「今、話がしたい」と連絡があり、中庭で待ち合わせることにした。

さっそく向かおうとホールを出た時、チェリストが俺を訪ねてきた。

どうやら昨日、俺とマネージャーが二人で会っていたことを知り、いつものように嫉妬しているようだ。

いつからだろうか、チェリストのこういった態度を煩わしく感じ始めたのは……。

俺は質問に答えず、チェリストが最近コントラベーシストと行動を共にしていることを咎めた。

彼女は憤怒した様子で「先輩には関係ない!」と怒鳴り、去っていった。

思えば彼女に反抗されたのは初めてのことかもしれない、と些末なことを考えながら、マネージャーとの待ち合わせ場所に向かう。

中庭について到着してしばらくすると、すぐにマネージャーがやってきた。

「今日の集まりには絶対に参加してほしい」と頭を下げる彼女を見て、少し違和感を覚える。

不思議なことに、 いつものマネージャーと雰囲気が違う。

持ち前の元気がないし、いつもより大らかな気がする。

心なしか、何か焦っているように見えるし、話していてもどこか上の空だ。

怪訝に思っていると、彼女は俺の顔を覗き込むようにして聞いてきた。

「「A」のことについて、知りたいんですよね?」 まさかの名前が出てきて思わず黙り込む。

雨が降り出して、台風が近づいているのでまもなく校舎を閉めるという放送が流れた。

しばし会話が途切れ、気を取り直した俺はビオリストのことについて聞いてみることにした。

「A」とビオリストは、明らかに何らかのつながりがある。

もしかしたら、あいつは人に言えない隠しごとがあるのかもしれない。

そう伝えると、彼女は見たことがないほど狼狽えはじめた。

ビオリストは小心者で、悪いことができるような度胸はない。それに、隠し事ができるほど器用じゃない」

その言葉で、その言葉で俺は察した。

マネージャーは、ビオリストの秘密を知っていて、あいつを庇っているのだと。

この女は、やはりどこまでも俺の敵らしい。

この際、思っていたことをすべてぶちまけてしまおう……そう考えた俺は、その場で マネージャーが行っていたと噂される悪事について追及した。

さっきまでの態度とは 打って変わって、彼女は急に顔を真っ赤にして憤怒した。

「やってない。やってるはずがない!!」 その態度に偽りはないように思えて、意外に思った。

彼女が音楽界の有力者達を脅していたというのは、誤った噂だったのだろうか?

マネージャーからの怒りに満ちた視線を受け止めていると、彼女のスマートフォンが鳴った。

ピアニストから連絡が入ったらしく、急に怒鳴ったことを謝罪した後、 「A」のことについて知りたければ、必ずレッスン室に来い と釘をさしてから去っていった。

マネージャーが 「A」 のことについて、知っているということは、ビオリストとつながりが あることは間違いない。

これ以上の情報を得るためには、あの女の言うことに従うしかなさそうだ。

苛立ちに舌打ちした直後、 コントラベーシストから、誤字だらけの意味不明な メッセージが送られてくる。

全く読み取ることができず、無視した。

しばらく空模様を確認した後、レッスン室に向かっていると 美しい旋律が聞こえてきた。

聞き覚えがある。これはピアニストの演奏だ。

先ほど、マネージャーがピアニストに 呼ばれて去っていったことを考えれば、二人は今、レッスン室にいるのだろう。

入っていいかどうか考えていると楽器保管庫の扉が開いてピアニストビオリストが 出てくるのが見えて驚愕した。

いかに最高峰の音学校SOR学園とはいえあんな 高レベルな演奏をできる生徒が、ふたりといる筈がない。

ならば今、ピアノの演奏をしているのは誰だ?

好奇心にかられ、正体を確認しようとレッスン室に近付くと、慌てた様子のコントラベーシストに呼び止められた。

俺に相談事ががあるらしい。

落ちついて話せる場所がいいとコントラベーシストが言うので、俺達は音楽ホールに向かった。

相談というのは、マネージャーから誹謗中傷に当たるような噂を流布されているという ものだった。

内容を聞くも 「犯罪行為をしている」 だとか 「女に酷い扱いをした」 だとか 一年以上前から学園で流れていた、誰でも知っているような噂だった。

一年生であるマネージャーが流した噂であるハズがないし、そんなことは コントラベーシストも重々承知のハズだろうに。

厚顔無恥なその態度に、俺は思わず 「自業自得だ」と悪態をつく。

怒り心頭で俺の胸倉を掴みあげるコントラベーシスト。 こいつの暴力的な一面も、心底嫌いだ。

いい加減、痛い目を見せてやろうと思ったが、 意外にもコントラベーシストはすぐに手を放し怒った様子でホールを後にした。

ため息をつき、ホールの外に出る。校内に人気はなく、台風に備えて生徒も教員も帰ったのだろうということが見て取れた。

俺は、しばらくホールから外を眺めていた。

伝説の楽器のこと、ゴーストプレイヤーのこと 考えなければならないことは山ほどある。

「A」 のこともそうだ。

この半年足らずで、自分を取り巻く環境が劇的に変わってしまった。

もう一度、大きくため息をついた後、、レッスン室に足を向ける。いつの間にかピアノの音は止まっていた。

少し残念に思いながら、レッスン室の扉を開くと――。

ぐったりとした様子のマネージャーが、椅子に座ってピアノに突っ伏していた。

驚いて駆け寄り、肩を揺する……完全に脱力したまま、マネージャーの体は地面に吸い寄せられて鈍い音を立てた。

死んでる、と理解した瞬間、俺は思わず悲鳴を上げていた。

時系列まとめ

【五限終了のチャイムが鳴った】

今日の集まりに参加しないことを、マネージャーに連絡。

中庭に来るように言われたので、向かおうとするとチェリストがやってくる。

前日、マネージャーと一緒に行動していたことについて聞かれたが、

「おまえには関係ない」と切って捨て、コントラバスと行動していることについて注意した。

チェリストが怒って去っていったため、中庭に向かう。

・少しして……

中庭でマネージャーと会話。いつもと様子が違うことに気づく。

「【A】のことについて聞きたいのだろう」と確信を突かれる。

【雨が降り始め、校舎を閉めるという放送が流れた】

【A】とビオリストの間に何かあったのかマネージャーに確認すると、見たことないほどうろたえ

「彼は悪いことができないほど小心者」と答えたので、ビオリストを庇っているのだと察した。

また、マネージャーの悪事について追及すると、「やっているはずがない」と断言された。

その後、マネージャーはピアニストに呼ばれて去っていった。

・少しして……

【A】とビオリストのつながりを確信。

コントラベーシストから誤字だらけの意味不明なメッセージを受け取った。

その後、レッスン室に向かった。

【ピアノの演奏が始まった】

ピアノの音を聞き、マネージャーとピアニストがレッスン室に居るのだろうと推測。

しかし、楽器保管庫から出てくるピアニストビオリストを発見してしまう。

コントラベーシストに呼び止められ、相談があると言われ音楽ホールに向かった。

・少しして……

音楽ホールでコントラベーシストから「マネージャーから誹謗中傷に当たるような噂を流された」と相談される。自業自得だと訴えると、怒って去っていった。

しばらく外を眺めた。

ヴァイオリニストの悲鳴が聞こえた】

レッスン室に向かうと、ピアノの音が止まっていた。

レッスン室に入り、マネージャーの死体を発見した。

全体 MAP

あなたの秘密

俺が同性愛者であることは、バレるわけにはいかない

あなたの目的

① 自分が犯人として拘束されない

あなたは無実です。事件に関与していないことを証明するために、アリバイや証拠を集め、自分が犯人として疑われないように努力しましょう。他のプレイヤーにあなたのアリバイを確認させ、矛盾がないように注意しましょう。

② 犯人を見つける

真犯人を見つけ出すことはあなたにとって重要な目標です。犯行の手法や動機を解明しましょう。

③ 自分が同性愛者であることを知られない

あなたの両親は古い考えの人間で、もし彼らに同性愛者であることが伝われば、勘当されてしまうでしょう。父も母も、音楽界の有力者で、今後の人生にも影響してしまう可能性があります。

④ 「片思い相手の男」がどうなったか、確かめる

あなたにとって「片思いの相手がどうなったか」真相を知ることは、最も重要なことです。

⑤ 伝説の楽器を手に入れる

これさえあれば、すべてが解決します。片思いの相手と再会し、自分の思いに整理をつけましょう。

行動指針

コントラベーシストに、チェリストに付きまとわないように釘を刺す。

妹的存在であるチェリストを守るため、チェリストがいない瞬間を見計らってコントラベーシストに「チェリストと密談しないよう」釘を刺す。

ゲームプレイのヒント

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ギタリスト

高校3年生の男性

バンドのリーダーで、長身でカリスマ性がある。ギターを持っている姿はカッコイイ。何か考え事をしているように見えることが多い。

SORMM Vol.02 ゴーストプレイヤー

あらすじ

エリート音学校「スクールオブロック(SOR)学園」には

世界を揺るがすほどの秘密が隠されている、という噂がある。

宇宙から飛来したという不思議な宝石を用いて作られた、伝説の七楽器――

伝説の楽器をすべて集めた者は、世界を思いのままに操る力を手に入れることができるという。

その伝説の楽器を集めたことで、学園はここまで大きくなったとのだという

しかし、伝説に語られる力は人に恵みを与えるだけではない。

大きすぎる力は、時に人を狂わせ、凄惨な事件を引き起こす。

それゆえに、血なまぐさい噂がSOR学園にははびこっているのだ。

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SOR学園の音楽祭といえば、「学園による音楽祭」としては世界最高峰である。

外部からの賓客は音楽界に強い影響を与える権力者、著名人ばかりであり、参加者は世界最高峰の演奏者達による「グループ」に限られる。

SOR音楽祭に参加した生徒は、それだけで未来の 音楽界を担う天才達であるという証明になる。

SOR学園の生徒6人組によって結成された音楽グループ「ゴーストプレイヤー」は、 最先端の音楽を、クラシックの奏法で表現することを目的としたグループだ。

グループ名は、SOR学園に伝わる怪談の一つ……誰もいない教室で 楽器を演奏するという「亡霊の演奏家≪ゴーストプレイヤー≫」にちなんでつけられた。

ピアニストヴァイオリニストチェリストビオリストコントラベーシスト

そして、彼らを統括する指揮者(マネージャー)の六人組。 演奏力だけではなく、見た目や 高いプロデュース力をもって、動画サイトで圧倒的な人気を博した「ゴーストプレイヤー」は 様々なコンサートにゲスト招待され、SOR音楽祭の出場グループへと選ばれるにいたった。

栄光の未来が約束されているはずの6人……しかし、ひとつの噂により状況は一変した。

マネージャーに関する悪評が広まったことでSOR音楽祭への出演が取り消されたのだった。

落胆する一同に、マネージャーは妙なことを言い始めた。

「伝説の楽器を手に入れる方法を発見した」

それは、SOR学園に伝えられる御伽噺(おとぎばなし)。

「手に入れれば、どんな願いも叶えられる」という、出所不明の都市伝説だった。

そんな「伝説の楽器」が手に入ったとマネージャーから連絡を受けた一同は、

ある大雨の日の放課後、グループの活動場所であるレッスン室に集められた。

そこで事件は起こった。

一番最初にレッスン室に入ったヴァイオリニストが、ピアノ盤に体を預けるようにして死んでいる マネージャーを発見したのだ。

響き渡る悲鳴を聞きつけ、メンバーがレッスン室に集まる。 マネージャーの死体を見て、パニックになった一同は、次々に悲鳴を上げる。

ピアニスト「なんで……なんでこんなこと!」

ビオリスト「首に傷が……殺されたんだ!」

そう叫んで、特にマネージャーと仲がいいピアニストビオリストが死体に駆け寄り、縋りつく。

チェリスト「あの……き、教員を呼んできたほうが……いいんじゃ……」

コントラベーシスト「この時間だぞ? それに、台風が近づいてきてるし、もう誰も残ってないはずだ」

ヴァイオリニスト「……まずは警察に電話だ。」

一番最初に動揺から抜け出したヴァイオリニストが、スマートフォンに手をかける。

しかし、その手をコントラベーシストが止めた。

コントラベーシスト「待てよ。警察を呼んだら現場検証やらなんやらが始まるんだろ? 伝説の楽器が手に入らなくなるかもしんねーぞ」

ヴァイオリニスト「……伝説の楽器、か。本当に、そんなものが現実に存在するのか」

ヴァイオリニストが眉をひそめる。言葉とは裏腹に、顔は少し色めき立っている。

チェリスト「でも……マネージャーさんを殺した人が、居るってことですよね?」

ピアニスト「もしかしたら、私たちの中の誰かが……」

全員が、全員の顔を見回し、お互いに一歩距離をとった。

ビオリスト「調べてみよう……犯人が、どこかに隠れているだけかもしれないから……」

ビオリストがそうつぶやき、皆が静かにうなずく。

しかし、皆の瞳には、どこか胡乱(うろん)な光が宿っていた。